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鹿を歯医者に連れていく / Take my deer to the dentist 15/02/05 - 02/22 |

『鹿を歯医者に連れていく / Take my deer to the dentist』
http://islandjapan.com/gallery/index.php?itemid=153
15/02/05 - 02/22
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人にとって、鹿は古くから物であった。食肉を意味する「シ」と、毛皮を意味する「カ」。つまり我々は、常に彼らを死体となった後の資材名称で呼んでいる。現代でも害獣と呼ばれ、殺されることを、物となることを我々から数万年間容認され、宿命づけられている。
まさしく物となった鹿の頭骨を見ると、地面を食んだ鹿の臼歯が大地の隆起そのものに見える。歯のすり減りは、大地の永い履歴の部分転写。この輪郭のなかに、生き物としての彼らを見つけた。せめて銀歯の金銀パラジウム合金による半永久的な輝きでその永い輪郭を包み上げて、数万年分の生命性をいま奪い返してあげよう。
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久保田沙耶
アーティスト。1987年、茨城県生まれ。筑波大学芸術専門学群卒業。 現在、東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻油画研究領域在学中。日々の何気ない光景や人との出会いによって生まれる記憶と言葉、それらを組み合わせることで生まれる新しいイメージやかたちを作品の重要な要素としている。焦がしたトレーシングペーパーを何層も重ね合わせた平面作品や、遺物と装飾品を接合させた立体作品、さらには独自の装置を用いたインスタレーションなど、数種類のメディアを使い分け、ときに掛け合わせることで制作を続ける。プロジェクト「漂流郵便局」(瀬戸内国際芸術祭2013)など、グループ展多数参加。
http://sayakubota.com
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鹿骨、パラジウム、鏡、カルテ、ミクストメディアなど 2014年
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at : island
東京都千代田区外神田6-11-14 3331 Arts Chiyoda 211
tel.03-5812-4945
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